与えられた仕事は人生の導きである
「医師を目指したきっかけは何ですか?」
この質問は、今までに何度も尋ねられました。
正直、どうしても医師になりたいと思っていたわけで はなくて、もし私の家系が医師でなければ、大好きなラ グビーの選手になっていたかもしれません(笑)。
それが、家の事情で慶応大学を中退することになり、 事態は一変。苦労して北里大学の医学部に入学しました。もっとも、医師であった父の背中を見て育ちましたから、 医師に興味があったことは事実ですけれど。 結果的に多くの恩師に恵まれ、そのおかげで現在の仕 事ができている。これには、本当に感謝しています。
人は皆、それぞれ与えられた人生があると思います。 たとえ自分が望んだ道でなくても、あるいは、進む方向 に大きな志がなかったとしても、与えられた役目を精一 杯全うすることが大切ではないでしょうか。 私の場合は、診療科を選ぶ段階からして第一希望と違 いました。「子供は国の財産だ」という強い思いが昔から あり、小児科を希望していたのです。しかしこの時も、整形外科に進んだおかげで恩師の荒 井三千雄先生と出会い、先生が私を非常に評価してくだ さり、大変恵まれた環境に身をおくことができたのです。
もう一人の恩師に、慶応の大先輩である森田勝先生が いらっしゃいました。もちろん私は、大変尊敬申し上げ ておりましたが、ある時、森田先生は私を呼んで、この ようにおっしゃいました。
山形県出身。 北里大学医学部・卒 1995年、正和会グループの南秋田整形外科医院院長。2018年4月よりは湯沢医院理事長。16年に秋田県医師会長に就任。公益財団法人秋田県総合保健事業団副理事長 / 一般社団法人本道医学振興会理事 / 公益社団法人日本医師会常任理事 / 医療法人正和会最高顧問